秘密保護法について

私は「反自衛隊的活動を行った人物」として自衛隊に監視されたことがある。数万人が反戦デモを行った2004年のことだ。私の他にも500人を超えるジャーナリストや市民、政治家が監視されていた事が内部告発で公開された記録によって、2007年に明らかになった。自衛隊が税金を使った業務として民間人を監視した事が発覚したのは、戦後初だった。私はイラクに行き20名ほどの画家の絵を購入し展覧会をした。戦争は秘密から始まり、表現者が弾圧され、小さな子ども達や女性たちが傷つくとイラクで学んだ。

 自衛隊情報保全隊の分厚い監視記録を開くと、10人~20人ほどの小規模な集会で、誰がどんな発言をしたのかも緻密に記録されていた。顔見知りだと思っていた集会に来ていた誰かが自衛隊員だったということだ。あの人?ひょっとしてあの人かも?ナチスの秘密警察や戦前の特高警察とダブり、なんともいえない権力の薄気味悪さを感じた。子どもが虐められるのではないか、家族が村八分になるのではないかと不安だった。同じく監視リストに入っていたジャーナリストの志葉玲氏や森住卓氏、川田龍平氏と防衛庁に抗議に行った。

 あれから6年。もっと怖い法案が交付された。12月6日に野党を押し切って強行採決された特定秘密保護法案だ。防衛、外交、スパイ活動防止、テロ防止の4分野で、閣僚ら行政機関の長が「特定秘密」を指定し、漏えいした公務員、民間人は最高10年の懲役を科される法案だ。権力側に都合の悪い声を上げる市民を捕まえてしまう事が出来る。

 今国会では武器輸出を認める法案や、ガン患者の情報を漏洩した職員に懲罰を与えるガン登録法、年金未払い者の資産を差し押さえる法案などが次々と可決された。この国は原発事故による健康被害を隠蔽し、国民から全てを搾り取り、戦争へ突き進んでいるのか。一緒に防衛庁に抗議した川田龍平参議院議員は秘密保全法に反対票を投じて、14名の議員とみんなの党を飛び出した。私たちは子ども達を戦争で失うかどうかの歴史の転換期にいる。特定秘密保護法が施行される一年以内に、監視しきれないぐらい大勢の国民が声を上げたら、廃案に持っていける可能性もある。声をあげて国をひっくり返すか、国籍を捨て海外移住するか。そんな選択肢を真剣に考える時かもしれない。
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by renaart | 2013-12-25 03:59


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