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地球を楽園にする芸術家・増山麗奈のブログ

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画家・ジャーナリスト・映画監督の増山麗奈が社会×アートを取材発信します!

道祖神アート あるいは、ブラックとももちゃん

友人のオフィスのドアに壁画を描いている。大通りに面しているので、描いているといろいろな方から声をかけられる。警備員のおじさんからは「いいデザインだね〜」。通りすがりのおばちゃんには「あら、可愛いわね!」
学校帰りの小学生の女の子は、興味深げに絵を見てくれて、絵に名前までつけてくれた!
道祖神アート あるいは、ブラックとももちゃん_c0046559_2495747.jpg

「黒い猫が〜"ブラック"でぇ、ピンクのお姉ちゃん猫が、"ももちゃん"ね。」
なんだか、自分が描いた絵が街の中でみんなに愛されるというのはかけがえの無い喜びである。

普通現代アートって特定の金持ちの為に描いたりするらしいのだが、私は無名で、塩っぽいおかずとビールが日々の喜びだと言う普通の人たちに向けて絵を書きたい、という気持ちがあるのだ。
日常に訪れるさまざまな悲しみや苦しみ、そういう
酒でも、薬でも癒せない深いところに、寄り添うことこそ、アートの仕事!と思っているから。
私はそうやってたくさんの美しいパワーに触れて20代を乗り越えて来たから、今度はみんなに恩返しがしたいと思っているのです。アートには人を苦しみから解き放つ力があるのだ。

今回の依頼はもちろん会社をはじめる友人からのものなのだが、彼の所有物、というだけではなくこの絵は街のみんなのもの。(巡り巡って評判が良くてクライアントさまの商売が繁盛すれば、大きな目で彼にもメリットがあるし)辻信一さんがコモンズ、という概念とはこういうかんじかな、とか。道祖神みたいだな、とか。つい街の外れにあるお地蔵さんに寒そうだから帽子被せてあげたりするあの感じで、自分の描いた絵がみんなに温かい気持ち、人生のちょっと怖い感じ、でも明日も生きていきたい感じなどを与えられたら嬉しいなあと思うのです。南米の壁画みたいにね。
私のためだけでもなく、あなたのためだけでもなく、みんなの為の絵を書きたいな。
それが、自己責任でぶちぶちと切られて来た繋がりを取り戻す為の私の地道な抵抗=アクションなのであります。

なんと、通りすがりのスナックを経営するママさんからまた新たに壁画を依頼されてしまった。
この絵を書き始めてから、先週となりの不動産やさんからも頼まれたのに。
本当にどうなっているのかしら。

世界には、アートが必要とされているスペースが無限にある気がしてきました。
by renaart | 2009-07-02 02:55

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