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地球を楽園にする芸術家・増山麗奈のブログ

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画家・ジャーナリスト・映画監督の増山麗奈が社会×アートを取材発信します!

しんしんと絵をかきながら日の丸君が代について思う。

最近はあまり外に出ず、絵を描くように心がけているのだが、私はだんだんアトリエの空気がつまってくるようなこの籠り具合が好きだ。
筆を動かしながらとても脈絡の無い事をつらつらと考え、
絵を描きながらにゃんがいる時、こぼれるように子供のときの事などを話す。

出来たら自分の深層心理に深くたどっていくような、私の人生に関係のあるものを描きたい。
何度も何度も思い返してその度に思い出と思い込みが重なり、何度も何度も夢に出てくるようなそんなものを描きたい。

私はたいてい浅はかだ。浅はかにものを語り、浅はかに人と関わり、浅はかに絵を描いてきたような気がする。もっと深く自分の心の奥深く遺伝子の奥深くにたどり着くようなものを描きたい。

卒業式で君が代を強制的に歌わす制度について
今夜3月28日、19時30分から、NHKのクローズアップ現代で特集をやるらしい。
御恥ずかしながら最近テレビというものをほとんど見ないので(コードを繋げてないので)
今夜も見るかどうかは決めていないが、
君が代、日の丸について最近ずっと考えていた。
小学校、中学校、高校(関係ないが大学は卒業してない、それどころか入学式もさぼってしまった。なぜなら入学式用のスーツを買いなさいと母に手渡された3万円で、私は超かっこいいナイキのスニーカーを買ってしまい、結局スニーカーとジーンズでは恥ずかしくなって、さぼってしまったのだ、ああ中途半端な人間だ。お母さんごめんなさい)
の卒業式で、君が代を歌った。小学校、中学校は国立だった。
先輩の第二ボタンをくださいと、いつ言えばいいかとドキドキしながら歌った。
卒業する先輩たちに送辞を読む役を与えられた事もあった。千葉そごうで買った
とっておきの服を来て(今でもその服の質感やサイズを思いだす。白と黒のフレアースカートのツーピースだった。それにあわせて履くタイツや髪につけるリボンを何度も考えた。)先輩たちへの感謝を述べたりした。わざわざ服を買ってくれたお母さんにありがとう。
先生もお母さんたちもみんないつもよりきちんとしていた服を来ていた。お母さんたちの胸にはコサージュが飾られていたが、私は「おばさん臭いださいドレスアップだなあ」とも思った。着物を着ているお母さんの方がかっこ良く見えた。いつもと同じツギのある背広を着ていた3年生のときの担任のH先生も凛々しく見えた。
それはとても厳粛で美しい思い出で、
君が代を聴くと私はそのときのいつもよりきちんとした体育館のしんとした光景を思い出す。
そして何故だか涙ぐんでしまう。最近いつも国の政策に文句ばかり行っているが、私はこの国に生まれ、この国が好きだ。


私は君が代のメロディーも好きだ。そして歌詞も好きだ。
日の丸のデザインもシンプルで好きだ。それは処女を失ったときのシーツのようであり、また切腹した武士たちの魂のようでもある。(でも朝日がさんさんと立つ大日本帝国時代の旗のデザインは嫌いだ。ちょっとしつこい。)もちろん日の丸と君が代を見て占領されたときの事を思い出す人々のいい分はよくわかる。しかし、ではそれに変わる遺伝子にぐっと涙ぐませてくれるものは何なのかね。その代案を出さずしてただ反対していても、説得力が無いし、勝算がないのではないか。
日の丸、君が代、憲法九条、皇室問題、
全て話に出すだけでその場の空気がビット凍るような緊張感を持っている。
右か!左か!って話になってくる。
でももっと普通に話し合った方がいいのではないかい。
ただ反対、賛成というだけではなく、私達にとって、象徴とは何なのかこの1億何千万人かの日本人と言われている私達の共通点とは何なのか、私達の遺伝子に深く届くものは何なのか、私達の歴史が辿ってきた道筋はなんなのか、その反省点は何なのか、私達は何処から来て、そして何処に向かっていけばいいのか、きちんと話し合った方がいいのではないか。
誤解してほしくないのだが、決してかつて日本軍が行った占領に賛成している訳ではない。
ただ一つ日の丸、君が代、をとってみても、そのマークや曲に想いを託した普通の人たち(この普通ってのが厄介なのだが。戦争が起こった時に一番人を殺すのはこの普通の良心的な人たちだからだ)の苦労や、汗や、涙や生活というものの重さを理解していきたいと思うのだ。
理解してから、それでも壊す、反対する、というときもある。

関係ないけれど宮沢りえちゃんは桜のようだ。彼女の演技のたおやかさや繊細さは小紋柄の着物の柄のように私達の遺伝子にぴたっと来る。そして芯の強さがその表情に見え隠れする。現代の日本を代表する表現者だと思う。あんな日本女性になりたいなあ。
画像は今度のジーンズ展に出そうと思っている新作。「日本のお父さんの正しい死(仮題)」

しんしんと絵をかきながら日の丸君が代について思う。_c0046559_15535443.jpg

by renaart | 2005-03-28 12:48

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