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地球を楽園にする芸術家・増山麗奈のブログ

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画家・ジャーナリスト・映画監督の増山麗奈が社会×アートを取材発信します!

テレビとともに生きて来た荒井さん(仮名)

ふう、やっとおわった。昨日今日は某テレビ局の某人気バラエティ番組のセットを作っていたのだ。壁画職人と書く現場仕事はなかなかいつも勉強になる。
何の番組かは企業秘密だが今日書いていたのは真上から見た風景。つまり山の上から見下ろした家や森。
空気遠近法によって遠くにある物は白ちゃけて見えるし〜カメラの位置を計算して遠近法をとって家の角度やら木の角度からを計算する。そして画面に映った時にあまり暗くならないように明るい色彩を心がけて・・彩度を計算する。
そんなことを考えて書いているものだから、つい日常生活でも「あ、あの木と空のアウトラインのぼけ方はなかなかリアルだ・・っていうか本物か。」みたいな感覚で風景をみてしまう。
わたしもひょっとしてだんだんうまくなって来たかも、という感触があるぞ。
大きなスタジオで、隣で制作していたのは、如何にも職人!というおじいちゃん。一人で淡々とパネルや小道具を制作していくのだが、いやあ、うまい!動きに無駄が無いし、刷毛の使い方、絵の具と水の分量、全て計算され尽くされている。無駄に余る絵の具も少ない。仕事が美しい。おぬしただ者ではないな。おじいちゃんは何も語らず黙々とてを動かしているようにみえたが、近くで作業してると小さく鼻歌を歌っていたのが聞こえた。
お話はしなかったのだが、おそらくこの道何十年の大ベテランなのだろう。
御年は70歳ぐらいか?もし20才の頃からこの仕事をやっていたのではないかと推測すると、それはほとんどテレビと同時に育って来た年齢なのではないだろうか?トットチャンネルという黒柳徹子がデビューしたてのころのエッセイがあるが(あれは後年斉藤由貴主演で映画化された。斉藤由貴ファンの私は、泣いた。)そのテレビが生まれてほやほやのときから、何十年もこんな風に同じ姿勢でセットを作って来たのかもしれない。
そのささやかな有り様には哲学が秘められているような気がする。
ひょっとするともうすぐ定年かもしれないけれど、ああ、こんな人に会えてよかった。よ!ニッポンが世界に誇る技術師!
「最近のテレビはバラエティばかりでいつも決まったお笑い芸人が・・」とか批判するのは簡単だけど、ほら、そこ、劇団ひとりのうしろ!そのセット!そのセットのあの四角い窓のとこのアルミのハイライト!!其処に荒井さん(仮名)の人生の技術が凝縮されているかもしれないんだよ!と思うと、いつも見ないテレビも有り難く見れるかもです。
でもね、家のテレビはアンテナが壊れていて安全ピンでかり止めしたら何故か映るんだけどみんな雑音が入ってあんまりよく見れないんだけどね。

画像*今日も絵の具だらけの手。いつか私も芸術職人になる。

テレビとともに生きて来た荒井さん(仮名)_c0046559_175328.jpg

by renaart | 2005-04-14 16:58

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