人気ブログランキング | 話題のタグを見る

地球を楽園にする芸術家・増山麗奈のブログ

renaart.exblog.jp

画家・ジャーナリスト・映画監督の増山麗奈が社会×アートを取材発信します!

御礼 8/6丸木美術館にてNY報告

8/6の丸木美術館での報告会の一こまです。

8/6という大事な日にお話をさせていただく機会を作っていただけて、本当に感謝しています。
御礼 8/6丸木美術館にてNY報告_c0046559_1175163.jpg


埼玉新聞さんの取材をお受けしました。第3部「水」の前で、川に逃げ込んで来たお母さんが赤ちゃんが死んでいた事に気がついたシーンの前で、
私もあーちゃんをだっこして撮影していただきました。
山の手大空襲でも命からがら赤ちゃんをおんぶしながら逃げて来たお母さんが、ふと気がつくとおんぶ紐が燃えて赤ちゃんが居なくなっていた、というエピソードを近所でお聞きしました。
本当に一人の母親として、娘や息子を助けられなかった時の悲しみは計り知れないと思います。そういう無数の悲しみを今私達が受け止めて、二度と同じ被害を繰り返さないように努力していきたいと思います。

先日大阪で3歳と1歳の赤ちゃんを自宅に残したまま死なせてしまった風俗店勤務していた23歳のお母さんの話を思い出していました。
戦争であれ、貧困であれ、罪の無いこどもたちが苦しむのはイヤです。こういう活動をしていると偽善だとかいわれたりもするのだが、いや、私は勝手ながら、自分がやってられなくなるのです。

女性達を貧困と孤独から救いたい。世界中のこどもたちを戦争から救いたい。大きな野望というか、本当は当たり前の願いのはずです。反戦とか、反核とかいうと仰々しい事に聞こえますが、これからも当たり前のことを、訴えていきたいです。
御礼 8/6丸木美術館にてNY報告_c0046559_119471.jpg

アーティストの村田訓吉さん、ウサギ組の大山結子さんと。
お二人とは、9/11丸木美術館でパフォーマンスを行います。
御礼 8/6丸木美術館にてNY報告_c0046559_11104135.jpg


会場にはたくさんのお子さんがいらしていました。私も4歳になる娘を連れて行ったのですが、本当にかけがえの無い夏休みの思い出ができました。
65年前に亡くなってしまった被爆者の方々の存在を少しでも覚えておく事。優しい心をもって育ってほしいな、と母は願っています。丸木美術館の周りの自然に囲まれ、夜は灯籠流しも参加させてもらいました。針生一郎さんの追悼式では、あーちゃんは障害者の方々が織ったと言う千羽鶴を何往復もして献花していました。まさに平和の子!ママはアータンが大好きです。そして周りの方々に優しく見守っていただけて、うれしいです。大阪で亡くなった3歳と一歳のこどもたちもこのような周りの優しいネットワークがあれば、尊い命を落とす事が無かったのではないかとおもうと悔しくてなりません。
写真撮影は、大木晴子さん。
大木さんは原爆の図「虹」にでてくるこどもたちと、絵を見に来るたびに会話をしているそうです。元気が無い時は元気をくれたり、大木さんにいろいろな事を話したり・・。丸木さんの絵はもはや丸木さんのものだけではなく、皆さんの心に生きているんだなって思いました。

1950年から、「原爆の図」展覧会を開催した美術評論家のヨシダヨシエさんとも御会いしました。ヨシダヨシエさんとは10月10日に丸木美術館で対談をさせていただくことになりました。
ヨシダさんの著書を読んでいると、戦後50年代の美術の動きが少し見えてくる感じがありました。戦時中は戦争画があって、そのあとアンデパンダン展が出来て、60年代は篠原有司男さんたちがネオダダやったりするんだけど、今まで50年代って何があったんだっけ?って感じだったのですが、点と点が結びついて自分の中に美術史がかちっと繋がった感じ。
実はあまり話題に残らない50年代に、その後の美術の流れを読み解く流れがあるのだと気がつきました。
そして安直に批判するのは簡単なんだが、戦後難にも無い焼け野原になった東京、日本全土に突如現れたジェームスディーンや、マリリンモンロー、ジャクソンポロックなどアメリカ文化は鮮烈だったんだなあと改めて気がつきました。

ヨシダさんは農民文化をいとおしみながら、敗戦の貧困の中、エロスとタナトスを見つめてこられた美術家です。縁がある気がする!対談が楽しみ!
ヨシダさんにはこの間お電話を頂き、拙著「いかす!アート」を絶賛いただきました。
「増山麗奈はアイデンティティがしっかりしているのが、いい!」とのこと。

感謝!
by renaart | 2010-08-11 11:24

画家・ジャーナリスト・映画監督の増山麗奈が社会×アートを取材発信します!


by renaart