人気ブログランキング | 話題のタグを見る

地球を楽園にする芸術家・増山麗奈のブログ

renaart.exblog.jp

画家・ジャーナリスト・映画監督の増山麗奈が社会×アートを取材発信します!

処女通りと童貞撲滅キャンペーン

お世話になっているSさんのお宅へ伺った。以前買っていただいた私の作品を、今度の展覧会用に貸していただくのだ。この作品は2003年に書いたもの。イラク戦争開始を告げるブッシュ大統領のTV演説を見て「なぬ!?お前の語る大きな物語など知らぬ。わしは、もっと小さな物語を生きる!」という決心を書いた作品。
Sさんはラジオの売れっ子パーソナリティーで、代官山の高層マンションに住んでいる。久しぶりにお会いしたSさんは相変わらずおしゃれで美しい。2年前と同じ所に私の絵を飾ってくれていて、それが部屋の一部のようになっていて、うれしかった。家にはいろんな絵が飾ってあって、さながらギャラリーのようだ。NYで買ったという若手作家の絵を見せてくれる。

ボランティアスタッフの募集で応募して来てくれた方と会う。でも結局私のファンで、ご飯が食べたかっただけみたい。「内緒で浮気しようよ。」口説かれるが、いや、別にそー言う理由で会われても。とかなりブルーになる。そんな時間あるか〜この野郎!!昼飯ごときであたしの極上の肩に触れようなんざ、数百年早いぞ、この野郎!あたしの一時間を返せ。でもその男の子が、オタク系でも反戦系でもおっさんでもない事に静かな感動も覚える。金髪の頭悪い系のお兄ちゃん。麗奈ファン、ひょっとして裾野を広げてる!?しかも”子供連れ妊婦”って相当なウイルスバスターだと思うんだけど。それを超えて口説くなんざあ、相当根性入ったウイルスだ。でもボランティアって、結局あんまり役に立たないかも。仕事はお金払ってい依頼したほうがいいのかも。全国数万人の麗奈ファンよ。もし本当に私を愛するならば、デートに誘うんじゃなくて、展覧会に来て♡そして作品を買って!!!でも、絵を買った後、キャンバスに精液ぶちまけたりはしないでね☆世紀の名作がカビるから。

午後、今度家族向けに行う予定の結婚式(!)の式場探し。ダーリンと外苑前をうろつく。
いいとこがあまり無い。「ゼクシ」みたいな結婚情報誌を購入するが、ものすごい分厚いのに、500円って安い。つまりこれは雑誌という形態を取った広告なんだな。はあ、結婚式ってそうとうなぼろ儲け商売だなあ。みんなよく何百万も使うね、こんなあほらしい事に。ゼクシの紙面から漂ってくる”見栄の張り合い””売らんかなエネルギー””角の取れたまる〜いやさし〜いかわい〜い花嫁像””僕のかわいい奥さん”などのイメージが私をますますディープブルーに誘う。
人の言う「正しい妻」「かわいい妻」とかそういうイメージとその下に渦巻くビジネスに目が回りそうになる。
その一見華やかで美しいシステムが女の足に足かせをはめ、消費させ、生命力を失わせるのだ。生理不順にさせるの。ホルモンバランスを壊してヒゲとかはやせるの。いや、ダーリンが嫌いとかそういう事を言っているんじゃないの。はっきり言って大好きなんですよ。心底惚れてます。でも私には正直家族という物がよくわからんのですよ。子供と家族であるという事はわかるのだが、男と家族になるという事がようわからんのです。男なしに子供は産まれないのだが。結局夫婦生活って、誰にも批判されない形の安穏とした売春制度に過ぎないのではないか、という予感が頭をよぎるのです。その売春は本人達が自覚していない分だけ善意に満ちてたちが悪い。男とのエロスの末路はお互いを全て破壊し合う、荒涼とした砂漠以外あり得ないんじゃないか。一度の離婚経験は私の結婚観に新たなるトラウマを残している。もしくは子供時代、自分の父親が浮気をしていた事が、私の男性観を狂わせているのかもしれない。お父さんの馬鹿!私のピュアを返せ!ああ、この日記を新郎のご家族の方が見たらどうしよう。すみませんね、こんな売女で。どの面下げてバージンロードだ、FUCK ME!
ああ、本当に女の子ってこう言う雑誌を見て、「わー素敵〜♡」とか言って、夢を膨らます生き物なのだろうか?いや、そうなんだろう。高校の同級生などを見ていても、式の半年前ぐらいからドレス選んで、あっちの式場がいいとかこっちの式場がいいとかそういう話で盛り上がっているもの。本当にみんな幸せそうだもの。そして、そんな純真な友達達をすごく眩しく思う。
くたばれ!!結婚制度。
いや、そんな嫌いなら2回もしなきゃいいのにね。ははは〜

とは言いながら、愛するにゃんは結婚式を今か今かと待ちわびている。
「ママは〜ふんわりしたドレス着て〜にゃんはピンクのドレス着るのね〜舞踏会みたいにね、お花が咲いてるの。パパもママもにゃんも、リリー(お腹に居る子)も、みんながみんなに優しくするの。家族だからね♡」そんな夢見がちなにゃんの笑顔を見ると、なんとかしてあげたくなってしまうのだ。
にゃんの頭の中にはプリンセスワールド、仲良し家族ワールドが広がっている。
この結婚式はダーリンの為でも、私の為でも無い。にゃんの為の結婚式なのだ。にゃんの4歳の誕生日プレゼントだね。ママがんばって、素敵な家庭を築いてみる、再び。


ふう。そんなわけで、何が童貞撲滅なのかわからんけど、昨日思ったね。寝る前に。私は。
この世界に蔓延する顔の見えない相手に性欲や邪気に満ちたエネルギーをぶつける現代的絶望感の根源って、実は童貞達の妄想にあるのではないかと。
全ての童貞は一度傷ついた方がいい。そして世界が自分の思う方に行かないと知った方がいい。そこからしか愛は始まらない。実際の童貞達にも困った物だが、精神的童貞が世界を覆ってないか!?世界を見ようとしないで、全て自分の頭の中とネットの世界でしか他者を把握できない。そして自分が抱いていたイメージが裏切られたとき(人など裏切る生き物なのだが)1と0の中間の融通が利かず、ついキレてしまう。コミュニケーション能力、想像力の欠如ね。イラク人質事件の後の「自己責任論」などのときにネット界を覆ったあの悪意のネット右翼どもの行動や言論を見ていてね。私は思ったよ。今闘うべき一番の相手は、アメリカでも小泉でもなく、そういう愛の欠如した童貞的気持ワルサではないかと。ちなみに私は処女のときの初体験しか童貞とした事は無いんだけど。「・・・あれ、これで終わり?」快楽を知らなかった頃の余りに電光石火すぎた、高2の夏の甘しょっぱい地元のラブホテルでの思ひ出。
by renaart | 2005-08-29 21:54

画家・ジャーナリスト・映画監督の増山麗奈が社会×アートを取材発信します!


by renaart