HOME TOWN 〜保育園×チンドンよしの〜
一年に一度、お花屋さん、指輪屋さん、パン屋さん、パソコン屋さんなど、園児達が工夫し手作った手作りの商品が先生の作った手作りのお店屋さんの縁日に並ぶ。
ゾウ組さんのお部屋はさながら小さな商店街になる。
去年、一昨年と、保育園にはチンドン屋さんが現れ、お店を賑わしてくれた。
実はそれは私の元旦那、
チンドンよしのこと吉野繁さんなのであった。
去年まではにゃんちゃんの正式なお父さん、ということで保育園に現れていた。
今の子供達はチンドン屋なんて見た事も無い子ばかりで、吉野さんが現れると泣いたり、その厚化粧にびっくりしたり、大変な騒ぎになるのである。
今年は・・・ママと吉野さんは別れてしまい、ニューパパことダーリンが登場していたので、先生方も吉野氏を依頼する事を躊躇していたらしいのだが、
まあ、固い事言うなや!ってことで、よくわからんけどにゃんちゃんの吉野さんの方のパパ、久しぶりに保育園に登場である。
街とチンドン。今日本中で外資系大資本のデパートの勢いに押され、消えつつある商店街という風景が保育園に誕生する訳だ。
「奥さん、今日大根安いよ。」「雨が続くねえ。」
そんな芸術家を目指す私がある意味ずっと嫌悪していた小市民的風景。
実はそんなたわいのない日常が、私達の社会を支えていてくれたものではないか、と最近とみに思う。そんな暖かい光景をいつしか見なくなった。理由は簡単だ。小さな商店は生き残れなくなったからだ。野菜も大手スーパーで買った方が安い。
スーパーでは、正社員ではなくてアルバイトの店員の方が安くてノンリスクで雇える。
アルバイトの店員は帰ってから家でやるゲームの事ばかり考えているので、目の前のお客なんて興味が無い。レジで金額だけやり取りすれば、定刻であがれて、時給はもらえる。
もしクビになったら他のアルバイトを捜せばいい。
そうして、心の無い無責任な関係が、企業側と雇われる側、お客さんとの間で出来上がっていく。
心の渇きは家に帰ってからmixiで癒せばいいや。
でも、どうしてもみんな、心が殺伐とする。
そんな殺伐さが都会を、田舎を覆っていく。
そして私達の街は内側から、外側から壊れていく。
私はそれは、日常の戦争だと思う。
「桃色ゲリラ」という名前で戦っている、現代の戦争の事だ。
そんな中、頑張っているチンドン屋が居る。
借金抱えながら(もう完済したかな?)街であった子供達、大人達に愛想をふりまく、チンドン屋が居る。しかもチンドンよしの、今度は宮沢りえとテレビドラマで共演するらしい。
いいじゃないか!素敵じゃないか!
保育園×チンドンよしの=いいじゃないか!
かなり桃色ゲリラ的に心躍るプロジェクトじゃないか!
しかも明日のお店屋さんには、桃色ゲリラ初期メンバーであった、音大卒、チンドン屋就職という変人ギャル、早稲田ちんどん研究会の重奴ちゃんも登場してくれるらしい。
最近は吉野さんはチラシを子供に渡す時「ママ。パパに渡してね。」と言いにくくなったそうだ。そりゃそうよ、パパもママも単純じゃあないものね。人間だから〜。まあその前に男と女だから〜。
写真は去年の桃色ゲリラショ〜の時に出演してくれた重奴ちゃん(写真右)。
中央は今は亡き、アラブ研究家にして、大正演歌愛好家、新月先生。
当時は吉野夫人だった私の間男であったところのダーリン撮影。