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地球を楽園にする芸術家・増山麗奈のブログ

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画家・ジャーナリスト・映画監督の増山麗奈が社会×アートを取材発信します!

「戦争っていうのは、そんなもんだよ。」

20代前半にお世話になった劇団の団長が、お店を出す事になった。
看板のデザインやらなんやらでお世話になっている。
酒を飲みながら話していると、昔の記憶が蘇る。

当時自殺未遂やらなんやら大変不安定だった私は、劇団の打ち上げとやらで結構救われていたのかもしれない。その当時の狭い自分の絶望と苦しさからの脱却を望んでいた私は、あーだこーだいって酒を飲む、劇団員との共同空間がありがたかった。
団長が言った台詞が妙に頭に残っている。
「増山、人はさ、死んじゃうんだよ。ぽっくり。なんてことないんだよ。そんなもんなの。」

その時はよくわからなかったが、あの言葉が私を強くしてくれたような気がする。

昨日、同じような台詞があった。
イラク人ジャーナリスト、イサム・ラシード氏の講演で聞いた、一般市民達がドリルで穴をあけられ、何の敬意も無いまま道ばたに捨てられるというイラクの状況のことを、団長に話した。
「幕末と同じだな。幕末の時もそこらに死体が転がってたんだよ。増山、戦争って言うのはそういうものだよ。」
その時、かちんと来た。
あなたはイラクの現状を知っているのか。その戦争が自分の達の国が加担したものだと知っているのか。そこで倒れる人々にも暮らしがあったという事をしっているのか。
あなたは戦争を知っているのか。
むろん、私も知らない。
しかし、彼からは仕事をもらっているので、ここでけんかしてもしょうがないと思い、怒りを飲み込んだ。ここでの私の任務は彼と社会情勢について議論する事ではなく、いいお店を作る為にいいデザインを作る事だ。
「けしからんことですね。」
変な言葉でその場を濁した。
一日経って魚のとげを飲み込んだみたいな感触が残る。

下北沢のカフェで飲んだコーヒーがうまかった。その喫茶店に藤田嗣治の版画があった事も驚きだった。

ちなみに、イラク人ジャーナリスト、イサム・ラシード氏と変な家族↓
「戦争っていうのは、そんなもんだよ。」_c0046559_12395754.jpg

by renaart | 2006-06-16 12:05

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